談話会

談話会の始まる30分前(16:00)に、お茶とお菓子を物理談話室(16-226)にて用意いたします。

講師:堀田知佐氏(物理部会)
題目:Kagomeにまつわるet cetera
日時:2014年10月21日(火)16:30
場所:16号館126/127教室
要旨:
Kagome格子上の電子系は, 実際にはなかなか実験でも実現することが難しく,理論屋のおもちゃと思われがちである. しかし実際には, この格子系は Flat band, Kinetic ferromagnetism, Dirac point, Frustration由来のexotic order, spin liquid など量子(多体)問題が織りなす多彩な物性を凝縮しており,実験・理論双方にとってチャレンジングな研究対象であり続けている. 本講演では, 我々がここ数年行ってきた研究のうちで, 以下3つほどKagomeにまつわる話題を提供する.

1)「Dirac point の出現条件」とKagome格子
2) Kagome格子上のスピン系の磁化過程と多彩な磁場誘起相
3) 1/3フィリングのKagome上の強相関電子系の電荷とスピンのinterplay

これらの研究紹介を通して 強相関(弱相関)の固体物性理論の研究がどのような広がりをもち, どういう課題を残しているかの一端についても漠然とご理解いただけるよう努めたい.


講師:高柳 匡(京都大学 基礎物理学研究所)
題目:  Holographic Spacetime from Quantum Entanglement
日時:2014年6月10日(火)16:30-17:30
場所:16号館126/127教室
Abstract:The idea of quantum entanglement and various methods in quantum information theory have recently become very important in broad subjects of theoretical physics including, particle physics, gravity and condensed matter physics etc. The AdS/CFT correspondence in string theory is a surprising duality which relates gravitational theories to quantum many-body systems without any gravity. However, the fundamental mechanism of this celebrated AdS/CFT correspondence (or holographic principle, more generally) have not been understood deeply even now. Recently, it has been strongly suggested that one key idea to understand this profound problem is to look at quantum entanglement, which are attracting much attention internationally. In brief, we can say that quantum entanglement offers us an excellent way to geometrize quantum many-body systems. This idea suggests that spacetimes of gravitational theories consist of infinitely many tiny“ bits of quantum entanglement”. The purpose of this talk is to give an pedagogical overview of these recent developments.


講 師:石原照也教授(東北大学大学院理学研究科物理学専攻)
テーマ:メタマテリアルの光整流
日 時:2013年7月26日(金) 16:30~ 18:00
場 所:16号館119講義室
概 要:
金属薄膜に電子線リソグラフィーなどの手法で人工的に構造を作製した系に外部から光を照射すると、波長、入射角、偏光状態によって様々な、空間的に不均一な電磁場状態が形成される。この電磁場によって生じる輻射力は、金属中の自由電子に力をおよぼし、光の並進運動量の射影成分のみならず、偏光状態によっては入射面に垂直な方向においても、光起電力として観測される。本講演ではこの現象を、サブ波長構造体(メタマテリアル)による新現象の発現ととらえ、議論する。


講師:井戸哲也氏(情報通信研究機構 主任研究員)
題目:周波数標準最前線-Sr光格子時計による秒の再定義への戦略-
日時:2012年7月17日(火)16:30
場所:16号館119
要旨:
現在国際単位系の秒の定義は133Cs原子の超微細構造遷移によってなされているが、今世紀に入り他の原子の光学遷移を利用したいくつかの光原子時計がCs時計を性能的に上回るようになり、光学遷移によって秒を再定義することが真剣に議論されている. 
光時計がCs時計を上回ることが確認された今、秒の再定義がなされる条件として次の2つが共通認識となっている:
1. 光原子時計の性能向上が一定の飽和を見ること
2. マイクロ波時計と比して改善された光原子時計の性能に見合った精度で遠距離離れた時計間の周波数一致を確認することが出来ること
NICTにおいてはSr光格子時計が動作しており、2の条件を視野に入れつつ、昨年度我々はNICT-東大間を光ファイバで結び、両拠点にあるSr光格子時計の周波数比較を行った. 結果、標高差65mに基づく相対論的周波数シフトを僅か20秒程度の測定時間で検出すると共に従来の手法では確認出来なかった16桁での周波数の一致を確認することに成功した. 講演では本実験の詳細を説明すると共に、単一イオン時計等他の方式の光周波数標準についても概説し、秒の再定義に向けたNICTの今後の戦略を紹介する

The Dicke superradiance quantum phase transition
講師:Prof. Tobias Brandes (Technical University Berlin)
日時:2012年4月17日(火)16:30から
場所:16号館126/127教室
要旨:
The Hepp-Lieb (Dicke superradiance) quantum phase transition has
been recently observed in a Bose-Einstein condensate coupled to an
optical cavity. I will give an overview of some of the activities that
have been triggered by those experiments. I will discuss the links with
chaos and the prediction of new quantum phase transitions under
non-equilibrium conditions.

題目:ヒッグス粒子は存在するか?ーーユニタリティーの見地からーー
講師:棚橋誠治(名古屋大学)
日時:2012年3月13日(火)16:30から
場所:15号館104教室
要旨:
現在の素粒子標準模型において、ヒッグス粒子は素粒子質量起源のなぞの鍵をに
ぎる粒子であるが、現在に至るまでその存在は実験的には未確認な状況のままと
どまっている。
素粒子標準模型が正しいと仮定すると、ヒッグス粒子の質量は非常に厳しく制限
されており、LHC実験が期待通りの輝度を達成することによって、2012年内に実
験的に発見されることが確実視されている。逆に言うと、2012年内にヒッグス粒
子が発見されない場合には、標準模型を超える物理の存在が確実になる。この談
話会では、このようなケースを想定し、どのような可能性があるのかを探る。
その際にキーワードとなるのは、電弱精密測定、フレーバー精密測定、そして、
縦波電弱ゲージ粒子散乱のユニタリティーである。標準模型を超える模型は、電
弱およびフレーバー精密測定の結果を矛盾なく説明できねばならない。また、
1TeV程度のエネルギー領域まで摂動理論が有効であると仮定すると、いわゆるユ
ニタリティーの制限を満たさねばならない。ここでは、ユニタリティーの問題に
着目し、素粒子質量起源を説明しうる物理が一般的に満たさねばならない和則
(サムルール)を求める。


題目:電界効果による物性制御:超伝導物質開発と磁性デバイス
講師:上野 和紀(物理部会)
日時: 2011年 7月26日(火)16:30 から
場所: 15号館104教室
口演要旨:固体の電子物性は物質に含まれる電子やホールなどの伝導キャリア濃度によって大きく変化することが知られている。物質表面に静電的にキャリアを誘起する電界効果はトランジスタや量子ホール効果などの半導体物性では広く使われてきたが、磁性や超伝導など高濃度のキャリアを必要とする物性の制御は従来、不可能だと考えられてきた。我々は固液界面を用いた電気二重層トランジスタという新しいデバイスを開発し、世界ではじめて電場による絶縁体表面への超伝導誘起を報告してきた。談話会ではこの電場誘起の手法を概説するとともに、最近の研究として電場誘起による新しい超伝導物質開発について紹介したい。さらに、強磁性半導体へ応用することで実現した室温での常磁性体から強磁性体への電気的スイッチングの研究についても紹介できればと考えている。


『神経シナプス構造の理論的自動化解析を用いると、記憶の仕組みがよくわかる。記憶中枢で雄と雌の差はあるか?』

講師:川戸 佳(物理部会)

日時: 2011年 6月21日(火)16:30~,  於 15号館104教室

口演要旨:レーザー顕微鏡で撮影した海馬神経の3次元像から、記憶の貯蔵部位である、神経シナプス構造を理論的に自動解析する方法を紹介する。現在の解析法のほとんどは、像の輝度に依存する解析法しかないので、正確な形や大きさが得られない。シナプスの大小を判定するだけで、どうして記憶の仕組みがわかるのか?シナプスの変化を用いて、老化による痴呆やAlzheimer病による神経ダメージが見える。痴呆やAlzheimer病の患者に女性ホルモンの補充を行って回復させる治療が世界で1000万人くらいを対象に行なわれているが、なぜ効果があるのか?記憶中枢で男と女の差は分子論的に見えるのか? などがトピックです。
特に自動解析の理論を話して、理論家に評価をしてもらいたいと思います。シナプス自動解析法は科学技術振興機構のバイオインフォマチクス・プロジェクトの成果です。

 


 

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